最近のこと

4月3日にはクラブライナーで弾き語り。急遽出演したのだが、余りの人のいなさにシュール過ぎて演奏中笑ってしまいそうになる。でも観に来てくれた方、ありがとう!


先日久しぶりに新宿タワレコに行ってCDをまとめ買い。
まずはやっとこさ購入、ネハンベースのライブ盤。ファンなら誰もが望んでいたであろうライブ盤だが、まさか前メンバーでの最後のライブが収録されるとは。
あの無邪気な四人のライブが生で観れなくなるのは寂しいので、このCDを目を閉じて聴きましょう。そしてあなたもこの日のオーディエンスの一人となり「フォー」とか「オウイ!」とか、合いの手を入れてみましょう。きっと楽しいはず。

次はトクマルシューゴの「ラムヒー」。名曲。童話の中にいざなわれているようなサウンドだが、歌詞は分裂的というか病んでいます(笑)。「パラシュート」のスコアはサービスなのか、それともユーモアなのか。ギターか、それが無理ならタンバリンを持ってあなたもマジックバンドの一人となり、「シャラララ」とか「タン、タン」とかパートを作って演奏してみましょう。きっと楽しいはず。

坂本龍一の「out of noise」。タワレコに行く前に病院に行っていたのだが、そこの待合室で何気なく読んだ婦人公論に教授のインタビューが載っていて、それに感動し、その後買うことに。エコがしたくなる。いやしよう。ちなみに購入したのはエネルギーをそぎ落とした安い方です。このCDには2バージョンがあって一枚はアートワークがびっしり詰まった特別盤(確か4800円ぐらい)と、製品の生産・流通・廃棄のプロセスで排出されるCO2とコストを最低限に抑えたバージョン(1800円ぐらい)。中に入っているのは全く同じCD。つまり聴ける音楽(=音楽としての価値)は一緒。「人の価値観はそれぞれだから、好きなほうをどうぞ」とのこと。教授曰く「エネルギーの民主主義」。さすが教授、言うことが違うぜ。それにしても良いタイトル。真昼間に窓を開けて聴きたい一枚。

最後にサカナクションの「シンシロ」。前から気になっていたバンドだったが、試聴して即決で買うことに。一曲目の「Ame(B)」を聴いた時、フジファブリックの「銀河」を初めて聴いたときのような戦慄が走る。

と今回のお買い物は全て邦楽。たまたまですが、結果こうなりました。

外に出ると、桜が満開。街に出るとフレッシュな新入社員やら就活生(僕もだけど)で満杯。前者を見ると心が洗われるような気持ちになるが、後者を見ると何だか滅入る。

家に帰り、買ったばかりのCDをかけながら新宿の青山ブック1stで何気なく買った吉田修一の「春、バーニーズで」を読む。吉田修一は僕がリアルタイムで出会った作家の一人なので特別な思い入れがある。しばらくチェックしていなかったら、いつの間にか読んだ事のない本が何冊か文庫化されていた。そういえば昔「パレード」を読んで、「自分の事を描いているのでは」、とか思って感動したっけ。上京したてでまだ知らない土地だらけだった僕は、まだ行ったことのない「下北沢」や「千歳烏山」の街を文字から妄想した。
色んな人から「東京には色んな人がいるからなー」と聞かされていたが、当時の僕は「からなー」の続きなんかには気になりもせず、今になっても結局「自分と似た人間」か「自分とは似ても似つかわない人間」の二人しか見つけることができずにいたりする。

夕時から、窓を開けた部屋で「out of noise」をかけながら本を読んだりギターを爪弾いていたりすると、何かとても悪い事をしているような、そんな罪悪感を感じずにはいられない。これに夕時からのビール・・・いやロベルト本郷ばりのポケットウィスキーを足せば、どうなってしまうのだろう。こんな風に思う僕は正常なのか、それとも凡人なのか。

よし、とりあえずスーツを着て街をせわしく歩いてみよう。高田馬場のロータリーへ行って6浪苦学生となり、偽りの、そして少し大げさなエピソードで武装し、軟式野球サークルの新歓コンパに参加してこよう。

そして戻れない自分を楽しみ、では戻ろうとしている場所とは一体どこなのかを気づきに行こう。





と、その前に、今日から今年唯一とっている授業が始まっていたことに気づく。







「働けよ」、と自分に言う。